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道具学会・イベント通知&報告/事務局からのお知らせ

道具学会が開催するイベント通知&事務局からの各種お知らせ用ブログです。公式サイト(https://douguology.jp/)、Facebookもご覧ください。


by douguhoukoku

■第14回(2010年度第5回)ビデオ研究会(10/11開催)の報告

今年度5回めの「匠の技と道具」ビデオ研究会を、
以下の日時・会場・内容にて行いました。

当日は、先日中国にいかれた曽根眞佐子会員より、
中国の韓会員から託されたお土産をいただきました。
韓さん、(想いが届くなら……)ありがとうございました!

◎開催概要
日時:2010年10月11日(月・祭)午後2時〜6時
会場:あんさんぶる荻窪 4階 第1教室

◎上映内容
・「今に生きる・手濾和紙」
 和紙重要無形文化財/保持団体・石州半紙技術者会(島根県)
・「手漉きの伝統」
 和紙重要無形文化財/保持団体・細川紙技術者協会(埼玉県)
・「金物の町・三条民俗誌」国立歴史民俗博物館  民俗研究映像
 製作:国立歴史民俗博物館・民俗研究部 朝岡康二(本会前会長)・内田順子
 製作協力:毎日映画社
 ※インタビュアーとして山口会長、真島理事も登場します。

■参加者リポート

「今に生きる・手濾和紙」、「手漉きの伝統」
どちらも紙漉きもの。
江戸時代に津和野、浜田両藩で漉かれていた半紙の総称の石州半紙と、
同じく江戸時代に小川を中心とした比企、秩父、男衾、三郡が和紙の
大産地と発展し、各種の紙が摺られたが代表的な紙が、細川紙(もともと
は和歌山県の高野山麓の紙漉場、細川村で漉かれた細川奉書)であった
ことで各保存団体がある。
石州半紙の映像では、和紙の丈夫さ強さは楮の繊維の強さ、和紙の出来
は楮の出来と和紙の強さ美しさを前面に出した感じのものでした。
一方、細川紙の映像では、黄色みがあり光沢のある薄くて丈夫な和紙を
江戸の人々の需要に応えてつくっていたことから、現在、用途に合わせて
それぞれに適したものを漉く様になってきたことを映していた。
変化しながら伝統は守られていくと云った感じの内容でした。
ただ、紙を漉くのに必要な漉簀をつくる職人が少なくなったことが心配だ。
2本続けてみた後、漉き方の違いはあるのかという質問があり、
漉桁の動かし方が、細川紙は平行にしている時間が長く、
石州半紙のほうは、ザッザッといった感じと云った回答がありました。
以前、小川町にある埼玉伝統工芸会館で紙漉体験をしたこともあったので、
なにか、修業を途中でほっぽらかした生徒の面持ちで観ていました。

「金物の町・三条民俗誌」
90分の大作でした。
どうして金物製造が盛んになったか、職人の町、三条の様子がよくわかる
映像でした。金物と云っても色々あり、特に床屋の鋏を作る際、細かい刃の
形状を作っていくところや、マネキンに本物の髪の毛がついた鬘をかぶらせ、
試し切りをしてから納品するといったシーン、そこに職人のこだわりのような
ものを感じとることが出来ました。
以前お世話になった三条鍛冶道場も映っており、入門コースでほとんど
師範につくってもらった切出しナイフのことを思い出しました。
それでも世界でたった一つのマイ刃物をつくれた、もてた喜びを
今でも忘れません。

報告者:小俣邦夫


写真は、当日の模様です。
(下は韓さんより、いただいたお菓子です)

■第14回(2010年度第5回)ビデオ研究会(10/11開催)の報告_f0205340_153538100.jpg
■第14回(2010年度第5回)ビデオ研究会(10/11開催)の報告_f0205340_15361657.jpg
by douguhoukoku | 2010-10-14 15:38 | ■終了イベントのREPORT