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道具学会・イベント通知&報告/事務局からのお知らせ

道具学会が開催するイベント通知&事務局からの各種お知らせ用ブログです。公式サイト(https://douguology.jp/)、Facebookもご覧ください。


by douguhoukoku

■第5回ビデオ研究会(11月7日開催)の報告

第5回ビデオ研究会が、以下の日時・会場にて開催されました。
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開催日時:11月7日(土)15時〜17時
@ 宝塚造形芸術大学東京新宿キャンパス4F405教室
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内容:「白銀師−刀装職人」 
    刀装金具選定保存技術 保持者赤野栄一(東京都)

    「輝きを仕つらえる」 
    代飾金具選定保存技術 保持者金江宗観(京都府)
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参加者からのREPORT

■「白銀師−刀装職人」
白銀師とは刀裝金具をつくる仕事をしている人。
刀裝金具(ハバキ)は、刀身の根元に取付ける金具で、
刀身が鞘に降れるのを防ぎ、柄と刀身を固定する金工品。
「ハバキのない刀は帯を締めない女と同じ」と云われているそうだが、
締まりがないという意味か。
建築材の巾木(ハバキ)も、同じように思う。
これで、日本刀の「打つ」「研ぐ」「締める」の3本を観ることが出来た。
打つ、研ぐ、締めるの言葉が出るのも、ビデオを観たおかげか。

■「輝きを仕つらえる」
もう一本のビデオは、木瓜型の襖の引手(銅製)の製作工程。
名工の「お手本があるから、むずかしい」の一言に、重みを感じる。
このビデオを観て、今年の竹中大工道具館東京企画展を思い出した。
建築装飾にみる金工技法「錺」とあり、やはり、映像で製作工程が
観られるようになっていて、錺金具も多く展示してあった。
映像もいいが、やはり実物を観るのがよい。
会場の一隅に、赤坂に和風金物を揃える老舗の清水商店の金具が
展示してあったが、この老舗も、昨年夏に店じまいした。
何かため息がでてしまうが、時代と共に意匠の美が変わりつつあるなか、
錺金物にみるデザインを再認識できたことがありがたかった。

この研究会に参加して、今や亡くなられた方が多い20年前の名工の
言葉や技を観ることは、自分にとってマイナスではない。

報告:小俣邦夫
by douguhoukoku | 2009-11-16 11:52 | ■終了イベントのREPORT